人気ブログランキング | 話題のタグを見る
項羽と劉邦
項羽と劉邦_a0005828_235648.jpg
ここ最近、史記を読んでいてとても観たかったのが「項羽と劉邦」。この話では「四面楚歌」「虞美人」「背水の陣」「左遷」「左袒」(さたんは項羽も劉邦も亡くなり、呂后もなくなってからの話ですが)と、数々の言葉やエピソードを生んでいる。
貴族出身で礼節を重んじ、戦場では兵士に優しい気配りをするのだが、いざ領地わけとなるとしぶって不公平な項羽からは重臣が去っていき、農民出身で横柄で兵士に人気はなかったが、人の意見にも耳を傾け領地も働きによって公平に分けた劉邦には重臣が利を求めて集まってきたといいます。私自身はどちらにも肩入れすることなくストーリーをみていたのだが、やはり項羽の最期は心うたれるものがありました。画像は劉邦に追い詰められた項羽の詩。

「山を抜くほどの力と世を圧する気魄もあった。だが時は味方せず、烏騅も動かぬ。烏騅が進まなければどうにもならぬ。愛する虞よ、おまえをどうしてやればいいのだ」

という内容。虞姫ただ1人を愛し続けた項羽。虞姫も項羽が逃げるのに、自分が足手まといになってはいけないと自決します。虞姫のような行動がはたして自分にできるものなのか・・・。そして、蜂起した江東で態勢を整えようとしていたのだが、その地を目の前にし、自分だけが帰っては戦死した兵士の父母に顔向けできないと、残った28人で劉邦と戦う。残った28人は精鋭だったので、とても強かったといいます。そして、とうとう項羽も自決。この潔さが人々の心を打ったのでしょう。美学を感じます。
しかし、敵は降参してきた者でも生き埋めにしてきた項羽。その厳しさがあるため、私としては肩入れできない人物ではあります。
by pocoli | 2004-04-29 23:57 | 本・映画など
<< 内祝い コレクト倶楽部 古代文明編Ⅱ >>