東京国立博物館の表慶館で展示されている「踊るサテュロス」をみてまいりました。
『「踊るサテュロス」は1998年、イタリア南部シチリア島沖で漁船の網に掛かり発見された古代ギリシャのブロンズ像。高さ約2.5m、総重量108kg。2000年以上前にギリシャで制作され、アテネから輸送中に船もろとも海に沈んだと考えられ』ているんですって。 私のもっているギリシア神話小事典でサテュロスは、『山羊の足と角をもった山野の神。パンの子孫で、ディオニュソスの従者』と書いてあります。ディオニュソス(バッカス)といったらお酒と享楽の神様ですね。その従者ということなのでお酒に酔って浮かれて踊っているサテュロスという像なんでしょうね。神話上のサテュロスの印象はよくはないのですが、この「踊るサテュロス像」は小事典の半神半獣の表現とは全く違い、躍動感あふれる青年の姿で表現されています。筋肉の表現やなびく髪の表現は本当にすばらしいです。『古代ギリシャ最高の彫刻家プラクシテレスの作品』と言われてるそうですよ。不完全な形で発見されているところが、『ミロのヴィーナス』や『サモトラケのニケ』と同様に、想像力をかきたてられるという魅力の一つにもなっている気がします。 このサテュロスに興味があったのは、発見の経緯やギリシャ神話好き、美術好きという理由以外に、HPで見たサテュロスの正面からの顔の画像がなんとなく興福寺の阿修羅像に似ていると思ったからなんです。私、興福寺の阿修羅像が大好きなんですよね。実際はHPの顔の角度と同じ場所からみることができずに、そんなに似てはいなかったんですが、洋の東西を問わず『美しさ』というものは共通しているなぁと思いました。参考資料『阿修羅』↓
by pocoli
| 2005-03-14 01:32
| 美術展など
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